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あなたは上手に人を頼れますか?

あなたは上手に人を頼れますか?


特に家事や育児は自分の役割だと信じ、すべて自分で担うことが「当然」だと思っていませんか?
もしくは、誰かを頼ることがあっても「罪悪感や、申し訳なさ」を感じていませんか?

 
私は昔から人に頼ることが苦手なタイプです。特に子どもを持つ前は、日常生活では頼らなくても、自分で何とかできることが多かった。
でも今は、自分一人だけの力ではどうしようもないことも多く、夫・義理の両親・会社の同僚や上司にも頼って毎日を送っています。
罪悪感にさいなまれているかというと、そうではありません。
頼った分は、お返しする気持ちで相手を大事にし、職場も家庭もチームとしての一体感があり、私も家族も笑顔で毎日頑張れています。
 

 
今、育児期の女性に関連して注目されている「ヘルプシーキング」行動をご存知ですか?
 

ヘルプシーキング行動とは、周囲に援助や支援を求める行動のこと。
 
子どもを育てていると、急な発熱から外出前の駄々コネ(笑)に至るまで、不測の事態はつきものです。どんなに気を付けても、コントロール不能で起こってしまうもの。
「起こらないように願う」ことや、「起ったときに必死に自分で何とかしようとする」よりも、「起こったときに周囲に助けを求めて乗り越えよう」という行動のことです。
 

 


では、「自分だけで何とかしよう」という気持ちは、どんな状況で、より発生するんでしょうか。
 
例えば子育てや家庭のことに関して。育休中や、専業主婦期間、または働いていてもパートで夫よりも就労時間が短い場合に、「私がやらなくては」と、本当は頼りたいけど頼るのを控えること、ありませんか。
 
例えば、仕事や職場でのことに関して。復職や再就職しても、時短勤務や定時退社をしていると「ただでさえも迷惑を掛けているし」と、本当は協力してほしいけど、言いだすのを我慢してしまうこと、ありませんか。
 
 
最近、こんな衝撃の調査結果を目にしました。
『ワーママの“自分だけでの頑張り”は、本人が思っているほど、周囲には伝わっていない』という結果です。
 
詳細データの説明は省略しますが、「時短だから、定時退社だから」と仕事効率を上げようと奮闘するワーママの頑張りを認識する同僚や上司は、ワーママの数に対して約半数という事実です。
 
言いたいことは、「頑張るだけ無駄」ではありません。
「自分だけで頑張ろうという意識と行動を変える」ことが必要なのです。
 
上記の調査は、さらにこのように続きます。
上司や同僚が評価するワーママは、『その人が仕事を頼んだときに、職場のメンバーが快く引き受けてくれるワーママ』だったのです。
 


この事実から、私たちは、大事なことを学ぶことができます。
 
仕事の上司の立場に立ってみると、とてもよく分かります。
上司(職場やチーム)が望むのは、「あなたの仕事を、あなたがやり切る」ことではなくて、「あなたの仕事が、(どんな手を使っても)、期限までにチームとして問題なく終了している」ことですよね。
 
「私が頑張らなくては」と抱え込んだ結果、不測の事態で直前もしくは期限後に未完が発生する状況、もしくはあなたが疲労困憊になり他の仕事の生産性にまで影響をきたしてしまう状況。誰も望んでいないのは明白ですよね。
 


もう一度。
ヘルプシーキング行動とは、周囲に援助や支援を求める行動のこと。
仕事で求められるのはもちろんですが、普段やっていないことは、いきなり仕事になったからと言ってできません。
 
育休中、復職前から、困ったときに「助けて」と言える準備をしておきましょう。多くの人は、自己中心的に「助けて」と言うことや、大変なお願いほど言い出しにくいと感じます。だからこその準備です。具体的な準備の一例を紹介します。
 
【仕事で】
・普段から自分の仕事内容や方法を整理し、いつでも説明できるようにしておく。(依頼する相手が困らない準備)
・仕事の進捗や状況、「ここ数日子どもの体調がすぐれず、急な呼び出しが入る可能性」などを周囲にオープンにしておく。(周囲に心構えを促し、依頼ごとの突発性を減らす準備)
・自分が周囲を支援できるときは、進んで支援し、お互い様の雰囲気を作っておく。(依頼する際の自分の心理的ハードルを下げる準備)
 
【家庭で】
・夫や両親に助けて欲しいことや、困っていることを伝えてみる。遠回しに言うのではなく、具体的にお願いしたいことを明確にする。(相手に「できる・できない」を判断しやすくし、支援を得る準備)
・夫に家事のやり方、子どもの世話で知っておいた方がいいことを、普段から共有しておく。(依頼時の相手の負担を減らす準備)
・夫や両親に、仕事に戻る時期、仕事を再開する時期を伝えておく。(相手にも心の準備をしてもらい、一緒に生活変化を迎える準備)
 
 

最後に、私と同じく「以前は頼ることが苦手で、全部自分でやっていた」という同僚ママの言葉です。
 
仕事を再開するに際し、どうしても幼稚園の送り迎えなどで自分にできないことが出てしまったそう。そこで彼女は、今までまったくしていなかった「ママ友に送迎の代理」をお願いすることに。頼む前は、とてもハードルが高かったそうですが、実際に頼んでみると「頼ってくれてありがとう」と相手も喜んでくれたそうです。
 
もちろんこうした言葉をかけられるような関係性を、彼女がママ友と築いてきたこともありますが、一歩踏み出してみると、思い込みとは違う景色が広がるかもしれませんね。